(その1)兼々役職は給与嵩上げが目的
記事は少し遡るが、平成21年12月の朝日新聞に「大阪府、給与かさ上げ、昇任せずに年176万円加算も」という記事が掲載されたことがある。
内容は下記のとおりである。
大阪府が給与ランクでは最も低い主事級を長年務める行政職の府職員に、それより上の係長級や課長補佐級と同じ給料を払っていることがわかった。係長、参事、副理事らにも、それぞれ一つ高いランクの給料を支給していた。橋下徹知事は、こうした事例を2011年度から見直す考えを示した。
府企画厚生課によると、ランクは1級(主事)から10級(部長)。主事級は1~2級だが、在任が長くなると「主任主事」「専任主事」と呼び名が変わり、係長昇任に必要な論文・面接試験に合格しなくても、係長級や課長補佐級の給料が支給されている。
本来、主事級の年収最高額は約550万円だが、この仕組みで課長補佐級相当の約726万円となり、176万円が加算されることになる。
係長も8年以上の経験で課長補佐級、参事も5年以上で課長級、副理事も3年以上で次長級と、それぞれ一つ高い級の給料が支払われている。副理事の年収加算額は最大約108万円という。
いずれも「職務経験が豊富で人事評価が良好な場合に昇級される」としているが、一定の経験年数があれば大半は「昇格」が認められてきた。こうした手法は「わたり」と呼ばれ、対象者は主事級で千人近く、係長級では約2200人にのぼるという。
府は06年度に「主事級の給料はあまりに手厚い」と給与制度を見直し、新規の「わたり」が出ないようにしたが、当時、上の級相当の給料を受け取っていた主事級の給料は据え置いた。府は「完全に廃止すれば、大幅な減給で生活できなくなる」と説明する。
総務省は「大阪府は国と比べても手厚く、合理的な説明もない。毎年、制度の見直しを求めている」としている。(池尻和生) 以上が朝日新聞の記事の内容であるが、さて平成24年度現在、我が街、柏原市役所の「給与かさ上げ」の現状はどうであろうか。
当方は、昨年の平成23年7月に、当時、区長会のおよそ120名の区長さん方へ、「柏原市役所の兼々役職(ケンケンやくしょく)について」と題する書面を送りその実態をお知らせしたことがある。内容は、上記の「給与かさ上げ」の仕組み(手法)を解説したものである。(残念ながら、現在の区長会の制度が、市からの補助金や報酬を受けている立場にあることなどが影響しているのか、市民目線での反応はまったく無かった。)
この手法は一種のいわゆる
「わたり」とも呼ばれるもので、柏原市の場合は、現在8級制により区分を分けそれぞれの職務内容に応じた給与を支給しているはずであるが、例えば「市民部理事
兼次長
兼人権推進課長」とか「総務部次長
兼総務課長」とかの兼ねる役職
(いわゆる兼々役職) を与えて、1級も2級もランクが上の給与を支給しているものである。
岡本市政はこの極めて姑息な手法で、平成23年度の人事異動でも、平成24年度の人事異動でも相当な数の職員にこの「兼々役職」を与え、法的には「職務と責任に応じた給与支給」を定めた地方公務員法に反した不適切な運用を、今も堂々と続けているのである。次回、その相当な数の具体的兼々役職名を挙げながら、柏原市役所の兼々役職の実態を検証してみたい。おそらく「開いた口がふさがらない」兼々役職の実態が浮かび上がってくるはずである。
腐蝕にまみれた柏原城/柏原市政の不透明と疑惑はまだまだ続く!!